医薬品や医療機器等の製造業、製造販売業、修理業の申請をするには、業者コードを取得しなければなりません。
業者コードは「業者コード登録票」を提出することで厚生労働省により付与されます。
2021年4月に業者コード登録票の提出について改正がありましたのでご紹介したいと思います。
参考資料:令和3年4月26日付け薬生薬審発0426第6号「医薬品等の製造業許可事務等の取扱いについて」
変更点は3つ
今回発出された通知によると、改正による変更点は次の3つです。
- 「業者コード登録票」提出先の変更
- 「業者コード登録票」提出方法の変更
- 「業者コード登録変更票」の追加
ひとつずつ確認していきましょう!
「業者コード登録票」提出先の変更
まずは、提出先の変更についてです。
改正前の提出先
業者コードを取得するには「業者コード登録票」を提出しますが、
改正前は、その提出先は都道府県(外国製造業者の場合はPMDA)でした。
都道府県に提出された「業者コード登録票」は厚生労働省に転送され、実際の業者コードの付与は厚生労働省でおこなわれていました。
言葉ではわかりにくいかもしれませんので、図1をご用意しました。
付与された業者コードは、厚生労働省から再び各都道府県を経由して提出者に伝えられていました。
改正後の提出先
この流れだと(ちょっと面倒くさい)合理的とはいえないということで、
改正後は、業者コード取得時には直接厚生労働省に提出することになりました。
図2で見てみましょう。
国内企業の場合には、業者コードが付与されたら、都道府県にも連絡がいく仕組みになっています。
企業にとっては業者コードの取得がゴールではなく、その先に業許可・登録申請が待っているからです。
国内企業の業許可・登録申請は都道府県に対しておこないますので、厚生労働省から都道府県に先に情報が渡っていれば、お話がスムーズに進みますね。
一方で、外国企業の業者コード付与時にPMDAに連絡がいくのかどうかについては、通知中では明らかにされていませんでした。
外国企業の場合は厚生労働大臣が許可・登録・認定権者ですので、厚生労働省内で情報共有できていれば、申請書の提出窓口であるPMDAに情報が渡っていなくても特に困ることはないのかもしれませんね。
改正前後の提出先比較
と、いうことで、改正前後の提出先について表1にまとめてみました。
改正後 | 改正前 | |
国内企業 | 厚生労働省 | 各都道府県 |
外国企業 | 厚生労働省 | PMDA |
改正前は、国内企業と外国企業とで提出先が異なっていましたが、
改正後では、提出先は厚生労働省へと一元化されています。
改正後の提出先(詳細)
とはいえ、ひとくちに厚生労働省といっても大きな組織ですので、窓口が分かれています。
許可や登録の種類に応じて、「厚生労働省医薬・生活衛生局」の「医薬品審査管理課」または「医療機器審査管理課」に提出します。
次の表2に詳しくまとめてみましたので見ていきましょう。
取得しようとする許可・登録 | 業者コード登録票の提出先 |
医薬品製造販売業 医薬品製造業 医薬品外国製造業 医薬部外品製造販売業 医薬部外品製造業 医薬部外品外国製造業 化粧品製造販売業 化粧品製造業 化粧品外国製造業 | 厚生労働省 医薬・生活衛生局 医薬品審査管理課 |
医療機器製造販売業 医療機器製造業 医療機器外国製造業 医療機器修理業 体外診断用医薬品製造販売業 体外診断用医薬品製造業 体外診断用医薬品外国製造業 再生医療等製品製造販売業 再生医療等製品製造業 再生医療等製品外国製造業 | 厚生労働省 医薬・生活衛生局 医療機器審査管理課 |
表2を見ていただくとわかる通り、
医薬品、医薬部外品、化粧品関係は「医薬品審査管理課」に、
医療機器、体外診断用医薬品、再生医療等製品関係は「医療機器審査管理課」に、
業者コード登録票を提出します。
「業者コード登録票」提出方法の変更
さて、提出先が分かったところで、次は提出方法の変更についてです。
業者コードを取得するには「業者コード登録票」を提出しますが、
改正前は、紙の登録票を窓口に持っていくか、FAXで送信することで提出していました。
ほとんどの方がFAXで提出されていたことと思います。(たぶん)
ご存知のとおり、FAXは送る側も受け取る側も人の手が必要です。
これでは近年のテレワーク化や電子化の流れに合いません。
改正後の提出方法
そこで、改正後は在宅勤務でも提出できるよう、
原則として、「e-gov電子申請サービス」を利用して提出することとなりました。
「e-gov電子申請サービス」を利用することで、パソコンとネット環境があれば、24時間いつでもどこでも提出できるようになりました。
えっ、うちネット引いてないんやけど…
ネット環境がない方はFAXでお願いします!
ネット環境がない場合等、特別な事情がある場合には、引き続きFAXで提出することが可能です。
「e-gov電子申請サービス」またはFAX、どちらを利用する場合でも、
提出先は、前述のとおり厚生労働省となります。
「業者コード登録変更票」の追加
ここまでは、業者コードを新たに取得する場合の手続きについてご紹介してきました。
業者コード登録後、登録内容に変更があったときの手続きについても、
少し変更がありましたのでご紹介します。
これまで、業者コード登録を受けた後に、登録内容に変更があった場合には、
国内企業は都道府県に相談して、軽微な変更(電話番号等)については修正し、重要な変更(所在地、業者の名称等)については新規で業者コードを取得するなどの対応がとられていました。
一方で外国企業の場合はPMDAから「外国製造業者コード(訂正・取消)願」という様式が示されており、これを提出することで登録内容を修正することができました。
登録内容の変更については、厚生労働省から特に指針等が出ていませんでしたので、
都道府県(国内企業)やPMDA(外国企業)で対応が異なっているという状態だったわけです。
今回の改正により、厚生労働省から「業者コード登録変更票」という様式が示され、
国内企業も外国企業も、変更の手続きが一本化されました。
「業者コード登録変更票」 についても、原則「e-gov電子申請サービス」利用して提出します。
「e-gov電子申請サービス」 が利用できない場合には、FAXにより提出します。
いつから変更?
- 「業者コード登録票」提出先の変更
- 「業者コード登録票」提出方法の変更
- 「業者コード登録変更票」の追加
これらの適用は、通知が発出された2021年4月26日からとなります。
ただし、通知中には、
都道府県やPMDAにおいては、業者コード登録票や業者コード変更登録票が提出された場合には、速やかに厚生労働省へ転送すること。
ということが書かれていますので、
しばらくは、今まで通り都道府県やPMDAに提出しても許されるということかと思います。
もちろん、円滑な業務遂行のためには、
2021年4月26日以降は厚生労働省へ直接提出することを強くオススメします。
まとめ
本ページでは、
- 「業者コード登録票」提出先の変更
- 「業者コード登録票」提出方法の変更
- 「業者コード登録変更票」の追加
についてご紹介しました。
2021年4月26日以降は、ぜひ、「e-gov電子申請サービス」を利用して、
厚生労働省あてに「業者コード登録票」を提出してみてください。
e-Govを利用した業者コードの取得方法については、厚生労働省からマニュアルが出ていますのでご参考にしてください。
また、今回ご紹介した様式については、本ページのほか、
都道府県やPMDAのホームページ等に掲載されていますので、
お好きなところからダウンロードしてご利用ください。
以上です!ありがとうございました!
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