体外診断用医薬品を製造販売するには、体外診断用医薬品製造販売業許可を取得しなければなりません。
体外診断用医薬品製造販売業許可には、「5年」という有効期間が設定されています。
本記事では、「5年」の根拠について法律の条文を見ながら解説します。
医薬品医療機器等法
さっそくですが、まずは関連する法律の条文をご紹介します。
製造販売業許可の「有効期間」に関する内容は医薬品医療機器等法の<第23条の2第4項>に規定されています。
こちらが条文になります。
<第23条の2第4項>
第1項の許可は、3年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
令和元年法律第63号による改正後の医薬品医療機器等法(2021年8月1日施行)
原文は 総務省 e-gov法令検索 でご確認いただけます。
「第1項の許可」とは、「体外診断用医薬品製造販売業許可」のことを指しています。
簡単に解釈すると、
- 製造販売業の許可は有効期間ごとに更新しないと失効するよ~
- 有効期間は政令で決めるけど、3年より長い期間にするよ~
という感じのことが書かれています。
政令で定める、ということですので次は政令の条文を見てみましょう。
医薬品医療機器等法施行令
「政令で定める」とありましたが、ここでいう「政令」とは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(昭和36年政令第11号)」のことを指しています。
長いので本記事では「医薬品医療機器等法施行令」と呼びます。
それでは張り切って条文を確認していきましょう!
<第36条>
法第23条の2第4項の政令で定める期間は、5年とする。
令和3年政令第1号による改正後の医薬品医療機器等法施行令(2021年8月1日施行)
原文は 総務省 e-gov法令検索 でご確認いただけます。
張り切る必要もないくらい簡潔に書かれていますね。
見てわかる通り、製造販売業の有効期間は「5年」になります。
つまり、製造販売業の許可は5年ごとに更新しないと失効してしまうということです。
他の製造販売業許可の有効期間
体外診断用医薬品以外にも医薬品や化粧品、医療機器…と、製造販売業の許可には様々なものがあります。
これらの製造販売業許可の有効期間も見ていきましょう。
種類 | 許可 | 有効期間 | 根拠条文(法律) | 根拠条文(政令) | |
---|---|---|---|---|---|
処方箋医薬品 | 第一種医薬品製造販売業許可 | 5年 | 3年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。(法第12条第4項) | 法第12条第4項の政令で定める期間は、5年とする。(令第3条本文) | |
薬局製造販売医薬品 | 第二種医薬品製造販売業許可 | 6年 | 3年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。(法第12条第4項) | 薬局製造販売医薬品の製造販売に係る許可については、同項の政令で定める期間は、6年とする。(令第3条ただし書) | |
上記以外の医薬品 | 第二種医薬品製造販売業許可 | 5年 | 3年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。(法第12条第4項) | 法第12条第4項の政令で定める期間は、5年とする。(令第3条本文) | |
医薬部外品 | 医薬部外品製造販売業許可 | 5年 | 3年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。(法第12条第4項) | 法第12条第4項の政令で定める期間は、5年とする。(令第3条本文) | |
化粧品 | 化粧品製造販売業許可 | 5年 | 3年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。(法第12条第4項) | 法第12条第4項の政令で定める期間は、5年とする。(令第3条本文) | |
高度管理医療機器 | 第一種医療機器製造販売業許可 | 5年 | 3年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。(法第23条の2第4項) | 法第23条の2第4項の政令で定める期間は、5年とする。(令第36条) | |
管理医療機器 | 第二種医療機器製造販売業許可 | 5年 | 3年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。(法第23条の2第4項) | 法第23条の2第4項の政令で定める期間は、5年とする。(令第36条) | |
一般医療機器 | 第三種医療機器製造販売業許可 | 5年 | 3年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。(法第23条の2第4項) | 法第23条の2第4項の政令で定める期間は、5年とする。(令第36条) | |
再生医療等製品 | 再生医療等製品製造販売業許可 | 5年 | 3年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。(法第23条の20第4項) | 法第23条の20第4項の政令で定める期間は、5年とする。(令第43条の2) |
表1. 体外診断用医薬品以外の製造販売業許可の有効期間
薬局製造医薬品の製造販売業許可のみが有効期間6年で、その他はすべて有効期間5年となっていますね。
まとめ
本記事では製造販売業許可の更新とその期間の根拠を法律、政令を見ながら確認しました。
体外診断用医薬品の製造販売業許可には、5年間という有効期間があり、
この5年間ごとに更新をしなければ許可が失われてしまいます。
私が所属する会社でも「体外診断用医薬品製造販売業許可」を持っていますので、
「今後も忘れずに更新をしていけたらなぁと思います!」
(先輩情報によると、忘れていると都道府県主管課から「優しい」リマインド電話がかかってくるようですので。笑)
以上です!ありがとうございました!
薬剤師免許は有効期間ないんですけどね~
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